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健康情報誌「消化器のひろば」No.9

健康情報誌「消化器のひろば」No.9

消化器Q&A 機能性ディスペプシアってなんですか?

消化器Q&A

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. 機能性ディスペプシアってなんですか?

機能性ディスペプシア?

ディスペプシアとは、みぞおちを中心とした上腹部症状で、胃の痛み、胃もたれなどが含まれます。 機能性ディスペプシア(英語名 functional dyspepsia、略してFD と呼ばれる)とは、このようなディスペプシア症状が慢性的にあり、症状の原因となる器質的疾患(胃潰瘍や胃がんなどの病気)や全身の病気がないものと定義されています。 日本では健診受診者の11~17%、上腹部症状で受診した患者の45~53%がこの病気にかかっているといわれており、日常的な消化器疾患の一つです。

機能性ディスペプシアの原因は、胃の運動異常(食べ物の腸への排出が遅くなることや食べ物を胃に貯めるための機能がうまく調整できないこと)、胃酸、内臓知覚過敏(通常は感じない刺激で痛みや不快感を訴えること)、心理的要因(ストレスなど)、遺伝的素因、感染性胃腸炎後など様々な因子が、単一ではなく複雑に関わっているといわれています。なお、厳密にはヘリコバクター・ピロリ感染者の場合、除菌しても症状が続く場合を機能性ディスペプシアと提案されています。

診断は症状に基づきますが、器質的な病気の除外には上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が必要です。 特に体重減少や貧血など危険な兆候がある場合は必須とされています。 治療としては、消化管運動を改善させる薬や胃酸を抑える薬が最初に用いられ、無効な場合は不安を取り除く薬、漢方薬などが用いられます。 このような薬でも症状がとれない患者さんは専門医に相談されるのが良いでしょう。

 

機能性ディスペプシアの原因

<回答者>

大阪市立大学大学院医学研究科
消化器内科学教授

藤原 靖弘

大阪市立大学大学院医学研究科 消化器内科学教授 藤原 靖弘近影

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