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健康情報誌「消化器のひろば」No.9

健康情報誌「消化器のひろば」No.9

消化器Q&A 膵臓を手術するとどうなりますか?

消化器Q&A

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. 膵臓を手術するとどうなりますか?

膵臓は、外分泌機能(膵酵素の分泌)と内分泌機能(血糖を下げるインスリン分泌、血糖を上げるグルカゴン分泌)を持ち、頭部、体部、尾部に分けられ(図)、病変の部位により膵切除法が変わります。 頭部から体部の場合は膵頭十二指腸切除(PD)が選択され、胃の一部、十二指腸、空腸の一部も切除され、膵空腸吻合、胆管空腸吻合、胃空腸吻合が行われます。 病変が膵頭部から膵尾部までの場合は膵全摘(TP:脾臓も摘出)が選択されます。尾部から体部の場合は膵体尾部切除(DP:脾臓も摘出)が選択されます。

PD では、術後早期に膵空腸吻合部の縫合不全により膵液がおなかの中に溜まる膵液漏を発生し出血などをきたすことがあります。 退院後では、膵酵素の分泌が減少して消化不良による栄養障害や肝臓に脂肪が溜まる脂肪肝を発生するので、その予防には膵酵素剤の服用が必須です。 胃空腸吻合部潰瘍防止のために胃酸分泌抑制剤の服用も必須です。 膵切除の量により膵性糖尿病を発生し、経口糖尿病薬やインスリン補充療法が必要となります。

TP では、術直後から糖尿病となりインスリン補充療法が必須となります。 グルカゴンの分泌もなくなるため低血糖発作をきたしやすく注意が必要です。 脾摘後には肺炎球菌感染予防のために肺炎球菌ワクチン接種が必要です。

DPでは、術後早期に膵液漏が発生し出血などをきたすことがあります。 退院後は、膵切除量が多い場合には膵酵素剤の服用が必要となり、膵性糖尿病を発生することがあります。 脾摘後には肺炎球菌ワクチン接種が必要です。

膵臓図

<回答者>

三重大学肝胆膵・移植外科
伊佐地 秀司

三重大学肝胆膵・移植外科 伊佐地 秀司近影

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