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健康情報誌「消化器のひろば」No.10

健康情報誌「消化器のひろば」No.10

消化器Q&A  B型肝炎の薬はいつまで飲むのですか?

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. B型肝炎の薬はいつまで飲むのですか?

B型肝炎の薬はいつまで飲むのですか?

 B型肝炎は、B型肝炎ウイルスが肝臓に持続的に感染することにより慢性肝炎、肝硬変さらには肝がんを発症する病気のことです。肝臓は非常に再生能力が高い臓器ですが、長年の肝炎により肝硬変へと進展します。肝硬変になると黄疸や腹水、食道静脈瘤破裂、肝がんといった合併症が起こりやすくなるため、肝硬変にならないように肝炎を抑えることが大切です。

 B型肝炎の治療目標は、「肝炎および線維化の抑制により、肝硬変への進展と肝がんの発生を抑制する」ことです。そのため多くのB型肝炎患者さんが、核酸アナログという飲み薬を服用されています。この薬によりB型肝炎ウイルスの複製が抑えられ、肝炎が沈静化し、発がんも予防できることが報告されています。飲み薬だけで治るC型肝炎ウイルスと違って、B型肝炎ウイルスは体内から駆除するのが難しいウイルスです。核酸アナログは、B型肝炎を治す薬ではなく、ウイルスを抑え込む薬であるとご理解ください。

 B型肝炎は、個人個人で病状が大きく異なります。ご質問いただいた「いつまで飲むのか」については、「核酸アナログ治療中止の必要条件」が日本肝臓学会のB型肝炎治療ガイドラインに記載されています。自己判断で中止されると、薬によって抑えられていたB型肝炎ウイルスが増殖することにより、重篤な肝炎が起こる場合があります。現在受診されている主治医の先生とよくご相談いただき、安全に中止する方法をご検討ください。

 

中止の時期は慎重に決めましょう

<回答者>

北海道大学病院消化器内科 助教
森川 賢一

大阪市立大学大学院医学研究科 消化器内科学教授 藤原 靖弘近影

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