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健康情報誌「消化器のひろば」No.10

健康情報誌「消化器のひろば」No.10

消化器Q&A  膵嚢胞が見つかったらどうしたら良いですか?

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. 膵嚢胞が見つかったらどうしたら良いですか?

膵嚢胞が見つかったらどうしたら良いですか?

 膵嚢胞とは膵臓の中にできた袋状のものを総称して嚢胞と呼びます。膵嚢胞には炎症によって形成されたものや、嚢胞自体が腫瘍であるものなど様々な種類があります。治療の必要性やがんになるかどうかは嚢胞の種類により異なりますので、正確な診断が求められます。  初めて腹部超音波検査で膵嚢胞が発見された場合には、嚢胞の大きさや形、膵管の太さなどを調べるために腹部造影CT、MRI(MRCPを含む)、超音波内視鏡検査(EUS)が行われます。膵嚢胞の近くに膵臓がんが発見されることがしばしばありますので、初めて嚢胞と診断された場合には注意が必要です。腫瘍性の嚢胞の中で最も多いのは膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と呼ばれるもので、膵臓を縦走する主膵管が拡張する主膵管型、その分枝がぶどうの房状に拡張する分枝型、この両者が併存する混合型に分類されます(図)

 主膵管型と混合型はがんになるリスクが高いので膵切除術の適応となります。分枝型は嚢胞の中に塊がある場合には悪性の可能性が高く、また、発見時には良性でも経過とともに悪性に変化することがあります。その他の嚢胞として、悪性リスクのある粘液性嚢胞腺腫や、良性の漿液性嚢胞腺腫などがあります。急性膵炎や慢性膵炎では膵臓の中や周囲に溜まった液や壊れた組織が液状になったものを含む膵仮性嚢胞、被包化膵壊死と呼ばれる嚢胞が形成されることがあり、自然に小さくならない場合には内視鏡的に嚢胞から内容物を除去するドレナージ術の適応となります。嚢胞を正しく診断するためには、画像診断の組み合わせや臨床経過による総合判断が必要です。

図 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の分類

<回答者>

東京女子医科大学
消化器内科 臨床教授

清水 京子

東京女子医科大学 近影

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