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健康情報誌「消化器のひろば」No.11

健康情報誌「消化器のひろば」No.11

消化器の検査 CTとMRIの違い

 消化器のうち、消化管の検査法としては内視鏡検査が主流ですが、肝臓や胆嚢、膵臓などの病変の検出や鑑別診断、広がり診断などに加え、治療の効果判定などにはCTやMRIが利用されます。CTとMRIの違いを解説します。

Ⅰ. CT

《1. 特徴》

 私たちの体は、水素、炭素、窒素、酸素の四大元素と様々な微量元素で構成されていますが、CT装置はX線を利用して人体の電子密度の差を画像化します。X線被ばくを最小限にするため、最近の装置には種々の被ばく低減技術が応用されています。CTの普及は目覚しく、外傷や急性腹症の際にも最初の検査法として撮影されることが多くなりました。ただし、CTでは正常域と病変との濃淡の差がつきづらいため、病変の診断や血管の状態を知りたいときには、造影剤を静注しながら検査する造影CTが追加されます(図1A, B)。1回の息止めによって腹部全体を薄い断面で一度に撮影できるので、得られた断面データをコンピュータで処理し、任意の方向の断面像や3次元画像を再構成することができます(図1C)

《2. 留意点》

 造影CTで用いる水溶性ヨード造影剤は腎臓から排泄されるので、事前に血液検査で腎機能をチェックする必要があります。また、造影剤投与で副作用を発症することがあります。通常は静脈注射後すぐに発症しますが、1時間から数日後にかゆみや発疹が起こることもあります。
 小児ではX線被ばくの影響が出やすく、妊婦では胎児への影響を考慮する必要があるため、検査の適応は厳重に決定されています。

Ⅱ. MRI

《1. 特徴》

 MRIは、人体の水や脂肪を構成する水素原子核が信号源になり、体内の水の分子運動や拡散運動、血流などを画像化できる検査法で、超音波検査やCTでは得られない情報を得られることが多く、幅広い適応があります。単純MRIの画像のコントラスト(図2A,B)はCTよりも良好ですが、造影剤を利用すると病変の検出や鑑別診断能がさらに向上します。ただし、検査時間が長く、設置台数も少ないため、CTが優先的に行われているのが実情です。

《2. 留意点》

 放射線被ばくはありませんが、強い磁場による金属の吸着の危険や、ラジオ波の照射による加熱での体温上昇などに注意する必要があります。また、造影剤による副作用も皆無ではありません。医療スタッフ(特に放射線科医や放射線診療技師)の指示に従い、安心して検査を受けましょう。

図1 図2

信州大学医学部附属病院
放射線科 教授

角谷 眞澄

信州大学医学部附属病院 放射線科 教授 角谷 眞澄近影

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