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健康情報誌「消化器のひろば」No.13

健康情報誌「消化器のひろば」No.13

気になる消化器病 血便

血便の原因となる病気は、大腸か肛門に見られますので、大腸内視鏡検査で診断をつける必要があります。様々な病気がありますが最も見逃してはいけないのは大腸がんです。

血便

早期の大腸がんを見つけるチャンス

 血便とは真っ赤な血がついた便、あるいは真っ赤な血のみが出ることをいいます。血便の原因となる病気は、大腸か肛門に見られますので、大腸内視鏡検査で診断をつける必要があります。様々な病気がありますので紹介します。

 血便で皆さんが真っ先に思い浮かべるのは痔だと思います。正確には痔核といいますが、静脈がうっ血してこぶ状になったものです。排便時に硬い便がこすれることで真っ赤な血が出ます。しかし、痔と思っていたら実は大腸がんがあったということもあります。

 血便を来す最も重要な病気は大腸がんです。大腸の小腸に近い部位での便はまだ泥状ですので、この部位で出血すると便全体に血が混じることになり、多くは血便を示しません。この場合は長期間たってから貧血で発見されることが多いです。一方、直腸に近い大腸では、もう固形便が形成されていますので、出血は便の表面につくため、目で確認可能になります。大腸がんの多くは、かなり進行するまで症状がありません。そうなると、大腸の管腔をふさぐことで腸閉塞を起こしたり、転移して見つかったりします。こうなる前に唯一起こる症状が血便なのです。大腸がんは潰瘍ができたり、もろいため血が出やすい状態にあり、それほど進行していなくても血便を示します。血便は治る大腸がんを見つける大きなチャンスと言えます。

早めの検査で原因となる病気を見つけよう

 高齢者で下痢も腹痛もなく、比較的大量の血便が出る病気として、大腸憩室からの出血があります。憩室とは腸管の内壁の一部が外側に向かって袋状に飛び出したものです。内視鏡で確認するとへこんで見えますが、憩室の中にある血管が切れて出血します。手術になることはまれですが、輸血が必要な場合もあります。

 大腸に潰瘍ができて出血する疾患も多く見られます。虚血性大腸炎は一時的な血流障害が原因で、突然の強い腹痛に続いて血便が生じます。頻度が高く、年齢に関係なく起こります。比較的若い人に多い潰瘍性大腸炎は、血便と下痢を来し、自然には治らず治療が必要ですので早期発見が大切です。

 このように血便を来す疾患には大腸がんを含めて様々なものがあり、お医者さんに診てもらい診断をつけてもらう必要があります。大腸内視鏡検査は以前よりずっと楽になっていますので、安心して検査を受けてください。


図 大腸がんの内視鏡画像

図 大腸がんの内視鏡画像

大阪市立十三市民病院
病院長

大川 清孝

大阪市立十三市民病院 病院長 大川 清孝

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