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健康情報誌「消化器のひろば」No.13

健康情報誌「消化器のひろば」No.13

消化器の検査 胆・膵内視鏡検査

 胆管は肝臓で産生した胆汁を流す管で、肝臓内の 細い胆管から始まり、肝臓外で一本になって総胆管 となり、一時的に胆汁をためておく胆嚢を分岐します。 胆汁は体外へ出すべき物質を含んでいるので、乳頭 部から十二指腸へ出され、最後は便と一緒に排泄さ れます。胆管が結石やがんなどで閉塞すると胆汁は 血管に流れるようになり、胆汁中のビリルビンという 物質によって黄疸になります。膵臓では膵臓がんに 代表される腫瘍や、嚢胞、慢性膵炎などの病気がありま すが、サイズが小さく体の深部にあるため、コンピュー タ断層診断装置(CT)や核磁気共鳴画像法 (MRI)な どの検査では細かい情報はわかりません。このよう な状態に対する精密検査が胆・膵内視鏡なのです。

超音波内視鏡(EUS)

 内視鏡の先端に超音 波( エコー)が装着さ れており、胃や十二指腸の中から超音波を当てる検 査です。非常に近い位置から胆管、胆嚢や膵臓に超 音波を当てるので、詳細情報を得ることができます。 総胆管結石なども、CTではわからない性質のものや、 小さくてMRI/MR胆管膵管撮影(MRCP)ではとら えられないものも、EUSではわかります。ほかには 胆管狭窄の原因の特定や、膵臓の腫瘤の描出や鑑別、 膵嚢胞の詳細情報なども得られます。超音波内視鏡 下穿刺吸引法(EUS-FNA)と呼ばれる、EUS画面 で見ながら針を刺して組織を採取する検査も行われ ています。最近では治療的な応用も多くなされてお り、消化管の中から胆管、胆嚢、膵管、感染性膵仮性 嚢胞、感染性膵壊死などに針を刺して、ドレナージ チューブを挿入することができるようになりました。

内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)

 十二 指腸に 開口する胆管・膵管の出口である乳頭部からチューブ を入れ、造影剤を注入してX線写真を撮る検査です。 現在ではCTやMRI/MRCP、EUSで詳細な情報を 取ることができるようになりました。ERCPの主な 目的は治療であり、乳頭部切開後の総胆管結石除去 や狭窄に対するステント留置です。ステントとは、閉 塞した部位を胆汁が流れるようにするために留置す るチューブの総称です。検査としてはがんの診断の ために組織を採取したり、胆管内に入るサイズの超 音波プローブや内視鏡(胆道鏡)を入れて内部を観察 したりします。EUSでもERCPでも、最近では腫瘍 を焼灼する治療が海外では行われております。近い 将来に本邦でも施行が可能になると思います。

検査の実際

 EUSは外来で、偶 発症の可能性があるE US-FNA(穿孔、出血、膵炎等)やERCP(穿孔、 出血、膵炎、胆管炎、胆嚢炎等)は原則入院で施行し ています。いずれも血管内に鎮痛剤や鎮静剤を注入 してほとんど眠っている状態で施行しますので、苦痛 はあまりないと思います。検査後は覚醒に時間を要 することがあり、十分に時間に余裕を持って検査に臨 む必要があります。偶発症もある検査なので、事前 に担当医からよく説明を聞いて納得してから受けて ください。蛇足ですが、胆膵領域に特化した検査な ので、胃の検査は別の機会に行う必要があります。

順天堂大学医学部
消化器内科
教授

伊佐山 浩通

順天堂大学医学部 消化器内科 教授 伊佐山 浩通近影

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