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健康情報誌「消化器のひろば」No.13

健康情報誌「消化器のひろば」No.13

消化器どうしました?Q&A

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. 喫煙と消化器がんの関係について教えてください

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 消化器がんとは食物 が通る臓器にできるが んで、口にできる口腔 がんからお尻にできる肛門がんま で、多くの種類のがんがあります。 これらの原因が明らかになっている ことは少ないのですが、唯一、多く のがんにかかるリスク(危険)が高 くなることがわかっているのが「喫 煙」です。

 厚生労働省は2016年に、喫煙と 疾患等の関係を4段階で判定し報告 しています。この中のレベル1「科 学的証拠は因果関係を推定するの に十分である」、つまり喫煙ががん と強く関係しているものとして、肺 がん、口腔・咽頭がん、喉頭がん、 鼻腔・副鼻腔がん、食道がん、胃 がん、肝臓がん、膵臓がん、膀胱 がん、子宮頸がんを挙げています。

 多くの消化器がんは、たばこ自体 に含まれる発がん物質とたばこが 不完全燃焼することによって生じる 発がん物質が、血液を介するだけ 治ったと思っていても肝臓内に潜 伏して残っていることが多いので す。化学療法を受ける日本人の患 者さんでキャリアは1.3%、既往 感染は20.30% 存在すると言わ れ、知らないうちに感染しているこ ともあり、化学療法前に検査が必 要です。免疫抑制効果が強い化学 療法ほど起こりやすく、化学療法 期間中のみならず、終了して数ヵ 月してからでも発症することがあ ります。HBVキャリアの患者さ んには、化学療法施行時にエンテ カビルまたはテノホビルなどの抗 ウイルス薬を予防投与し、既往感 染の患者さんは、採血にてHBV DNAを1 ~ 3 ヵ月ごとに測定し て早期に再活性化を見つけること が重要です。 ではなく、唾液と一緒に流れて直接 粘膜に触れることで発生すると考え られています。喫煙者が食道がん になる確率は非喫煙者の約7倍で、 胃がんは約2倍、膵がんも約2倍と いう研究結果が出ています。

 もう一つの重要な問題は、受動 喫煙です。喫煙者がたばこの煙を 出すことで、たばこを吸っていない 周りの人にも悪影響を及ぼし、がん のリスクを高めているのです。受動 喫煙防止のためにも屋内でのたば こは止めるべきで、欧米ではこれが 常識です。

 最近登場した加熱式たばこはど うなのか、ということも話題になっ ています。加熱式たばこは発売さ れてからまだ日が浅く確定的なこ とは不明ですが、日本呼吸器学会 は、従来のたばこと同様に健康に 悪影響を及ぼす可能性がある、と の見解を出していますので注意し ましょう。

 禁煙はがんになる確率を最も手 軽に下げることができ、あわせて お金も節約できる一挙両得な方法 です。禁煙を強くお勧めいたしま す。

<回答者>

東北大学 大学院医学系研究科
外科病態学消化器外科学分野
教授

海野 倫明

東北大学 大学院医学系研究科 外科病態学消化器外科学分野 教授 海野 倫明近影

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