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肝硬変

肝硬変とは、長年の炎症(慢性肝炎)により肝細胞の壊死と再生が繰り返され、線維成分が増生(線維化)して肝臓が硬くでこぼこになった病態です。

成因としては、日本ではC型慢性肝炎によるものが約65%で最も多く、その他にB型慢性肝炎、アルコール性肝障害、自己免疫性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎などによるものがあります(図)。

肝硬変の症状は多彩ですが、黄疸、腹水、脳症、食道静脈瘤、出血傾向、肝がんの発生などが重要な症状です。浮腫(むくみ)、男性の女性化乳房なども見られます。肝硬変でも肝機能がある程度保たれているうちはこれらの症状は見られず、代償性肝硬変といいます。肝機能が次第に低下して非代償性肝硬変になるとこれらの症状が明らかになり、さらに進行すると、黄疸や脳症が進行した肝不全、静脈瘤などからの消化管出血、肝がんの3つが主な死因となります。治療法の進歩により、肝不全や静脈瘤破裂での死亡が減少し、肝がんの死因に占める割合が増加しています。

肝硬変の治療は、症状のない時期(代償性肝硬変)は、栄養療法が中心です。肝臓病では、体に必要なエネルギーや蛋白などの合成や貯蔵が十分にできなくなり、体全体の栄養状態が悪化して病気の進行につながります。従って、栄養状態の維持、改善が大切で、各種栄養素をバランス良く摂ること、鉄分を控えめにすることが基本で、お酒は控えます。進行して非代償性肝硬変になると、脳症のある場合にはタンパク質を制限します。浮腫、腹水のある場合には塩分制限が必要です。低ナトリウム血症(体内のミネラル異常)がある時は、水分制限を行う場合があります。繊維成分を摂り便秘を避けることによって、脳症の発生を防ぐことができます。また、夜間の空腹状態が肝硬変での栄養状態維持に不利なことから、就寝前に軽い夜食を摂るのが有効です。日常生活では、特別な行動制限は必要なく、規則的な排便を心がけ、筋肉が衰えないように適度な運動をすることが勧められています。

肝硬変は基本的に不可逆性であり(元に戻らない)、非代償性肝硬変では、様々な症状に対する対症療法が必要になります。肝不全対策、消化管出血の予防・治療、腹水軽減、腹膜炎治療などを行いますが、これらの治療は、肝硬変を直すことはできず、進行を遅らせたり、症状を和らげるものです。また、肝がんが発生すればその治療を行います。末期肝硬変の唯一の根本的治療法が肝移植です。全世界で年間8000例を超える肝移植が行われていますが、その60%がウイルス性肝疾患による末期肝硬変の患者さんです。海外では脳死の提供者からの脳死移植が中心ですが、日本では、親族から肝臓の一部をもらう生体部分肝移植が多く行われています。

 

     

図:肝硬変の成因別実態(1998年,日本肝臓学会大会の集計) 
出典:内科学 第9版、朝倉書店 p.968<図9−32>

 

 

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