大腸ポリープ

患者さんとご家族のためのガイド

大腸ポリープガイドQ&A大腸ポリープについてお話しします。

Q1 大腸ポリープってどんな病気ですか?

大腸の管の表面(最も浅い層)は粘膜でできています。
この粘膜層の一部がイボのように隆起してできたもののことを大腸ポリープといいます。
大腸ポリープはその構造(組織)により腫瘍性のポリープとそれ以外(非腫瘍性)のものに分けられ、専門的には右下の図に示すようにさらにこまかく分類されます。このうち、大腸がんになる可能性があるものは腫瘍性ポリープである「腺腫」です。
大腸がんは、正常な粘膜から腺腫(良性腫瘍)が生じ、それが悪性化してがんになる場合と、腺腫の状態を経ずに一気にがんになる場合とがあります。このうち、腺腫となった後に大腸がんになるものについては、腺腫のうちにそのポリープを取ってしまうことで大腸がんを予防することができます。

Q2 大腸ポリープになるとどんな症状があるのでしょうか?

大腸ポリープはほとんどの場合、患者さんが自覚する症状がありません。とくに、小さいポリープの場合は、すべて無症状といっても過言ではありません。ですから、
大腸がんになる可能性のあるポリープをより早期に見つけるためには、がん検診を受けていただくことが重要です。
一方、患者さんが自覚症状を感じる場合としては、肛門の近くにポリープができたことにより血液のまじった便が出たり、粘液のようなものが付着した便が出たりすることがあります。また、まれではありますが、大きなポリープが肛門の近くで大腸をふさいでしまい腸閉塞を起こすことや、ポリープ自体が肛門から飛び出すこともあります。なお、大腸がんの患者さんのなかには、がんが発生しやすい家系の方がいます(遺伝性大腸がん)。大腸にたくさんのポリープが発生する場合(家族性大腸腺腫症)と、ポリープの数は少ないですが大腸がんが家族内に多く発生する場合(リンチ症候群)がありますので、
親子兄弟などの血縁関係者に大腸ポリープや大腸がんと診断された方がいる場合は、早めに検査を受けていただいたほうがよいでしょう。

Q3 大腸ポリープはどのようにして見つかるのですか?

大腸ポリープを見つけるための拾い上げ検査(スクリーニング検査)では、便に血液がまじっているかをチェックする便潜血検査を行います。
2日間の便を調べて1日でも陽性と判定されれば、一般に内視鏡による精密検査を行います。便潜血検査により、進行がんの90%以上、早期がんの約50%、腺腫などのポリープの約30%を見つけることができ、その結果、大腸がんの死亡率を約60%、大腸がんになるリスクを46~80%下げることが報告されています。
また、便潜血陽性以外にも、家族歴、既往歴で大腸ポリープが疑われる場合、あるいはもともと血便や便が細い、腹痛などの症状のある患者さんに対しては内視鏡による精密検査を行います。

注腸X線検査は、ポリープの形や大きさ、位置などを診断するのに優れていますが、事前の処置が不十分な場合や大腸の管が重なって見づらい場合にはきちんと診断できないことがあります。また、病変の組織を取ることができないことや、X線による被曝の問題もあります。
内視鏡検査は、内視鏡を肛門から入れることで病変を直接みることができ、形や大きさだけでなく、血管の模様などから病変の深さや治療が必要かどうかを判定することができます。
さらには、内視鏡で治療できる場合にはそのまま切り取ることも可能ですし、確定診断のための組織を採取することもできます。

・転載申請、ご意見・ご要望等
掲載記事の内容は、全て発行当時のものです。
本ガイドは日本消化器病学会の著作物であり、無断転載・無断複写を禁じます。

転載等のお問い合わせは、下記E-mailにてお願いします。
本ガイドへのご意見・ご要望等については、今後の改訂時の参考とさせていただきます(下記までお寄せください)。

個別の医療相談・健康相談にお答えするものでないことをご理解ください。

原則としてご返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。

E-Mail:info[atmark]jsge.or.jp ※[atmark]を@に置き換えてください。
患者さんとご家族のためのガイド 担当者宛

患者さんとご家族のためのガイド トップへ戻る