薬物性肝障害診断指針案(RECAM-J 2023、ICIによる肝障害診断指針) パブリックコメントのお願い
2023年11月
日本消化器病学会会員 各位
帝京大学医学部内科学講座(消化器)
田中 篤
薬物性肝障害診断指針案(RECAM-J 2023、ICIによる肝障害診断指針)パブリックコメントのお願い
薬物性肝障害(Drug-induced liver injury; DILI)は日常臨床においておそらくもっとも頻繁に遭遇する肝障害の成因ですが、診断のための適切なバイオマーカーが存在せず、経過も多様であり、DILIの診断・治療は必ずしも容易ではありません。日本では2004年のJDDWワークショップにおいてスコアリングシステムによる薬物性肝障害診断基準が提唱され、長く使用されてきました。しかし、その後改定がなされず、近年の肝臓病学の進歩を踏まえたアップデートが待たれていました。
2023年のJDDWにおきまして、私は第65回日本消化器病学会大会長・名越澄子先生より、榎本信幸先生(山梨大学・消化器内科)とともにワークショップ13「薬物性肝障害の診断基準改定を目指して」の座長を務めるようにとのご指示をいただきました。これを機にDILI診断基準改定案を作成することとし、ワークショップに演題を登録してくださった先生方にご協力をいただきながら、2021年欧米で発表された診断のためのスコアリングシステムであるRECAM(Hepatology, 2022 ;76:18)を日本の臨床現場に合わせて改訂し「RECAM-J 2023」として、2023年11月3日のワークショップで発表いたしました。また準備段階の中で、近年注目されているirAE肝障害については通常のDILI診断基準には適合せず、従来日本臨床腫瘍学会など他学会で作成されているガイドライン等も主に他領域の医師を対象にして作成されているため、他領域の医師からコンサルテーションを受ける肝臓・消化器専門医を対象とした新たな診断指針を作成するべきとの結論に至り、「ICIによる肝障害診断指針」を合わせて作成・発表しました。名称についてもirAE肝障害ではなく、ヨーロッパ肝臓学会の呼称を採用し「ICIによる肝障害」といたしました。
つきましては、日本消化器病学会・日本肝臓学会のご協力の下、両学会のホームページ上でRECAM-J 2023、ICIによる肝障害診断指針を公開しました。ここでは日本消化器病学会学会員の先生方からパブリックコメントを募集いたします。いただいたコメントを参考として内容を確定し、学会誌へ投稿します。パブリックコメント及びお問い合わせの宛先は以下の通り、期限は12月9日(土)といたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。
薬物性肝障害診断スコアリング_RECAMJ2023_パブコメ募集用_Nov07_表1
薬物性肝障害診断スコアリング_RECAMJ2023_パブコメ募集用_Nov07_表2
ICIによる肝障害診断指針_2023Nov07_v3
パブリックコメントの宛先・問い合わせ先:
帝京大学医学部内科学講座 田中 篤 秘書
吽野カヨノ 宛
メールアドレス:k-unno@med.teikyo-u.ac.jp