原発性硬化性胆管炎診断基準改訂案についてのパブリックコメントのお願い(周知依頼)
2024年8月
日本消化器病学会会員 各位
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業
「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班
研究代表者 田中 篤(帝京大学)
肝内結石・硬化性胆管炎分科会長 伊佐山 浩通(順天堂大学)
原発性硬化性胆管炎診断基準改訂 WG リーダー 内藤 格
(名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院)
原発性硬化性胆管炎診断基準改訂案についてのパブリックコメントのお願い
原発性硬化性胆管炎(PSC)は原因不明の進行性肝疾患で、未だ予後不良の疾患です。現行の PSC 診断基準は 2016 年に私たちが作成したものですが、今回以下の観点から、PSC診断基準を改定しました。
改訂にあたって主に留意したのは 4 点です。まず、侵襲性の高い ERCP ではなく、広く普及してきた MRCP を中心とした診断を中心とすることを目標としました。次に、これまで診断基準に盛り込まれてこなかった小児例や small duct PSC の診断にも目を向けています。また、本邦の PSC の特徴として炎症性腸疾患の合併が少ないとされていますが、PSCに合併する炎症性腸疾患は消化器症状が軽度であり、大腸内視鏡検査が十分に施行されていない可能性も考えられます。そのため、今回の改訂では炎症性腸疾患の合併に重きを置き、積極的な大腸内視鏡検査を推奨しました。最後に、肝移植分科会と連携して肝移植後の PSC再発の診断も盛り込むこととしました。
以上のように、低侵襲である MRCP を活用して軽症例の診断が増加し、正確な炎症性腸疾患の合併率が明らかとなり、更に小児例、small duct PSC、移植後再発例も盛り込むことより、より臨床に即した診断基準となることを期待しています 。
今回、日本消化器病学会のご協力の下、同学会のホームページ上で改訂 PSC 診断基準を公開しました。日本消化器病学会学会員の先生方からパブリックコメントを募集いたします。いただいたコメントを参考として内容を確定します。パブリックコメント及びお問い合わせの宛先は以下の通り、期限は 9 月 14 日(土)といたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
資料 PSC 診断基準改訂のポイント・改訂 PSC 診断基準・ 表 1 改訂 PSC 診断基準 等々
パブリックコメントの宛先・問い合わせ先:
帝京大学医学部内科学講座 田中 篤 秘書
吽野カヨノ 宛
メールアドレス:k-unno@med.teikyo-u.ac.jp