一般のみなさまへ

健康情報誌「消化器のひろば」No.14-7

消化器どうしました?Q&Aこのコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. バリウム検診と内視鏡検診ではどちらが良いのですか?

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 我が国では毎年13万人余りの方が胃がんにかかり、5万人弱の方が胃がんで亡くなっています(図)。胃がんは早期発見して治療すれば治る病気であり、胃がん検診を受けて早期発見に努めることが大切です。現在、胃がん検診としての有効性(死亡率減少効果)が科学的に証明されているのは胃エックス線検診(バリウム検診)と胃内視鏡検診の2つです。国は、これらを50歳以上の方を対象に2年に1回受診すること(バリウム検診は当面は40歳以上1年1回)を推奨しています。

 胃内視鏡検査は精密検査にも使われる方法でもあり、胃内視鏡検診はバリウム検診に比べて精度が高く、より小さな胃がん、より多くの胃がんが発見されることが期待されています。しかし、内視鏡検診は挿入時の苦痛に加え、出血や穿孔といった重篤な偶発症の頻度が高いというデメリットがあります。最近は鼻からも挿入可能な細くて柔らかい内視鏡機器も導入されていますので、昔に比べれば苦痛が少なくなっています。ただし、胃内視鏡検診は2016年度から市区町村検診としての実施が認められたばかりなので、お住まいの地域で実施されていない場合もあります。

 バリウム検診は古くから広く行われており、安全性の高い検診ですが、内視鏡検診と比べると感度がやや低いと言われています。しかし、バリウム検診でも見つかる胃がんの多くは早期がんで、検診を受けたことがない方から発見される胃がんよりも予後が良いことが示されています。

 どちらの方法でも構いませんが、胃がん検診は定期的に継続して受診することが最も大切です。

図


 

<回答者>

(公財)宮城県対がん協会
がん検診センター

加藤 勝章

(公財)宮城県対がん協会 がん検診センター 加藤 勝章近影
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