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近畿支部第122回例会 司会の言葉

シンポジウム(公募)
「新時代を迎えた肝細胞癌治療と将来展望」
  司会:石井 隆道(京都大学大学院医学研究科 肝胆膵・移植外科)

  司会:小玉 尚宏(大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学)
 肝細胞癌治療は、近年の免疫療法や分子標的治療の進展により飛躍的な進化を遂げています。しかし、薬物療法における課題は依然として多く、複合免疫療法の適切な使い分けやimAEのマネジメント、逐次療法の最適化、局所治療との併用の意義など、さまざまな検討が必要です。外科治療においても、薬物療法の進歩に伴いConversion surgeryによる予後延長への期待が高まると同時に、Borderline Respectableの概念やTransplant oncologyの確立も重要な課題です。また、肝癌の早期発見や局所療法の成績向上を目指す取り組み、さらには肝癌の発症予防に向けた背景肝疾患の治療も重要な議論のテーマです。
本シンポジウムでは、新時代を迎えた肝細胞癌治療について最新の研究成果や臨床経験を共有し、現状と将来展望について皆様と議論をしたいと考えております。多くの演題応募をお待ちしております。

パネルディスカッション(公募)
「消化管癌低侵襲治療の現状と課題」
  司会:米田 頼晃(近畿大学医学部 消化器内科)
  司会:角田  茂(京都大学消化管外科)
 消化管癌治療の低侵襲化の流れは、従来の外科手術適応を大きく変えたESDをはじめとする消化管癌の内視鏡治療は胃癌から食道・大腸に応用され、近年、十二指腸に応用されています。最近では縫合デバイスも開発され,peranal endoscopic myectomy (PAEM)や全層切除(EFTR)まで可能な時代となり、さらなる内視鏡切除の適応拡大が検討されています。また外科領域では、daVinciの寡占状態が長らく続いていた手術支援ロボットも、近年hinotori、Hugo、Saroaと新機種が続々と上市され、さらにda Vinci SPによる単孔式手術も保険収載されています。ロボット手術以外でも、食道癌に対する縦隔鏡手術、結腸癌の体腔内吻合など既存の内視鏡手術のさらなる低侵襲化の動きも進んできています。本セッションでは、これらの動向を踏まえ、内科・外科の各分野における消化管癌の低侵襲治療の最新状況をご提示いただき、今後の課題や展望についても議論を深めていきたいと思います。

パネルディスカッション(公募)
「胆道癌治療における現状と課題」
  司会:松原 淳一(京都大学医学部附属病院 腫瘍内科)
  司会:小木曾 聡(京都大学大学院医学研究科 肝胆膵・移植外科)
 胆道癌治療においては、診断から合併症管理、治療方針決定まで様々な場面で難しい課題に直面する。特に最近では、抗がん薬治療の位置づけが大きく様変わりし、治療方針決定にも変化がみられるようになった。切除可能胆道癌に対する術後補助療法としてのS-1療法、切除不能胆道癌に対する一次化学療法として免疫チェックポイント阻害剤+GC(ゲムシタビン+シスプラチン)療法、が新たに標準治療として保険承認となった。以前より国内で広く用いられていた標準治療であるGCS療法と前述の免疫チェックポイント阻害剤併用療法との比較試験は現在進行中である。このように、胆道癌症例の治療選択肢が増えて予後が延長し、腫瘍が縮小する症例も増えてConversion手術が議論されるようになってきている現状では、診療科横断的な議論が臨床現場ではより重要である。本セッションでは、複雑化しつつある胆道癌治療の現状と課題について、内科/外科を問わず広く演題を募集し議論を深め、明日からの診療の一助となる情報を共有し有意義なものとしたい。

ワークショップ(公募)
「消化器疾患と腸内細菌叢に関する最新の話題」
  司会:鍛治 孝祐(奈良県立医科大学 消化器・代謝内科)
  司会:灘谷 祐二(大阪公立大学 先端予防医療学/消化器内科学)
 腸内細菌叢は食物の消化・吸収の促進、免疫グロブリンや短鎖脂肪酸の産生、各種ビタミン・アミノ酸合成、脂質や胆汁酸代謝などその働きは多岐に渡り、もう一つの臓器と言える。次世代シークエンサーを用いたゲノム解析技術の進歩により、腸内細菌の新たな役割や腸内細菌叢の構成異常(dysbiosis)による様々な病態への関与が次々と報告され、近年では腸内細菌のバイオマーカーとしての役割を同定するのみならず、dysbiosisや腸管粘膜透過性亢進(leaky gut)の制御を疾患治療に応用する試みもなされている。また、腸内細菌代謝産物と全身のエネルギー代謝,免疫能との関係や口腔内細菌と消化器疾患との関係など、新たな視点からの研究も展開されている。本ワークショップでは,炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、大腸癌などの消化管疾患のみならず,アルコール性肝障害やMASLD、肝癌を含む肝疾患,PSCや膵癌などの胆膵疾患などと腸内細菌に関わる研究成果を基礎臨床問わず御発表頂き、新たな診断、治療への展開について議論を深めたい。

ワークショップ(公募)
「自己免疫性肝胆膵疾患に関する最新の話題」
  司会:塩見 英之(兵庫医科大学 消化器内科学 肝胆膵内科)
  司会:塩川 雅広(京都大学大学院 医学研究科 消化器内科学講座)
 自己免疫性肝胆膵疾患の診療では、病因が不明なためいまだ課題は多い。自己免疫性肝炎(AIH)では、周辺疾患との鑑別、重症化例や治療抵抗例の対応、原発性胆汁性胆管炎(PBC)では、黄疸肝不全進行型の予後予測マーカー・治療法の開発などが重要である。原発性硬化性胆管炎(PSC)では、新規薬剤の開発だけでなく、移植後の再発予防を含めた長期予後改善へのアプローチ、さらに自己免疫性膵炎(AIP)、IgG4 関連硬化性胆管炎や IgG4 関連肝疾患では、診断や再燃・予後予測バイオマーカーの同定の解明が不可欠である。さらに、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)治療に伴う免疫関連副作用(irAE)も重要な課題となっている。本ワークショップでは、自己免疫性肝胆膵疾患に関する基礎的な研究から新しい診療での知見や試みについて、多くの演題を御応募いただき議論したい。

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